ビデオの裏側・よもやま話 ... ブログ風にて

演奏映像を YouTube に投稿 - 私のメインの音楽活動になりつつありますが、その目的のひとつに「ラグタイムギター」 (ここでは「クラシック・ラグタイム」というピアノ曲の編曲) の世界を知ってもらうことがあります。
ということで “とっかかり” となる興味の入口を広げたく、ビデオ収録にまつわるエピソードを盛り込んだ「ブログ風記事」を掲載することにしました。
“かぶる”興味があると良いのですが...?
【註】 記事が増えましたので、過去の記事を倉庫にしましました。 過去記事へは こちらから入室ください
私自身のアレンジは初めて - "ラグタイム形式による 夢見る人"
はじめに - なぜチャレンジしたのか...

世界でもまれなラグタイムギタリストの最高峰 - 小樽在住の浜田隆志さんのご好意により、このたび名誉にも彼の名古屋ライブに、サポートとして参加させて頂く栄に恵まれました。
※2012年3月16日(金)です。名古屋今池の “源” にて
ラグタイム関係者(?)として考えましたのは、単に演奏するだけで無く「ラグタイムの世界」を紹介する(いわゆる) "レクチャー・コンサート" にしたい!というアイディアです - ギター演奏のみならず、ラグタイムの歴史や時代背景、音楽形式などをプレゼン風に紹介するプログラムを企画して... というのは、実は「たっての希望」でもあった訳なのですが!
プレゼンテーション講演の内容を検討するに当たって、ラグタイム最大の特徴である「シンコペーション」をどのようにお客さまに分かりやすく説明するか?というテーマを想定したのですが、実は過去にも同様の試みをしたことがあり、その時に演奏したのがこの「シンコペーションを含まないメロディ」が優美に流れる米国の著名作曲家 フォスター Stepen C. Foster の歌曲 『夢見る人 Beautiful Dreamer』 でした。そのことを思い返しながらも、そこで一つのアイディアを思いつき... 「当時は語りでシンコペーションとの違いを説明したけれども、この曲にシンコペーションを施して続けて演奏したら、差異がクッキリするのではないか... 加えて、ラグタイムというスタイルそのものの魅力的な性格をも伝えられるのでは... ?」 ということでトライを始めた訳ですが、その時にふと「ひょっとすると、当時の古のラグタイマー達も、こんな感じで色々な曲を自由にシンコペーションさせて楽しんでいたんじゃないのかなぁ」と感じたことも付け加えさせて頂きます... ;-)
信心深いラグタイマー FAITHFUL RAGTIMER として- どうやってトライしたのか...

図: 「ラグタイム - 講演演奏会」のプレゼン・シートから
この解説シートを先にお見せするのが手っ取り早いと思い... というのも、アレンジと演奏を通じてやりたかったことがここに書かれていますから... ;-)
偉大な作曲家であるフォスターが、黒人音楽のメロディーやメランコリーなムードを(搾取ではなく)愛情的な配慮を込めて自らの曲に取り上げたとされる点は彼の大きな功績である訳ですが、一方でネイティブなリズムの嗜好性はそのまま置き去りにされました... たぶん彼が親しんでいたクラシック音楽の「行儀の良さ」からは、いくぶんかけ離れた世界に映ったのかもしれません。ということで、今度は私が彼に成り代わって(?)、取り残されたものを付け加えたのですが、それに際しては、もう一人の偉大なアメリカの作曲家へもトリビュートを果たしたいと思いました - もちろん、スコット・ジョプリンなのですが。そして、ジョプリン様式とも言える彼の作品のポイントのいくつかを、講演会ではこのシートで解説したく考えた、という次第です。
なお、私自身もう10年以上演奏している中で多くを学び、そして今なお学ぶことの多い著名な作品である 『メープル・リーフ・ラグ』 を、今回の編曲においては特に参考にさせて頂いたことを、最後に付け加えさせて頂きます... ;-)
現代のラグタイムと野球選手へ捧げる想いと情景 - 「ロベルト・クレメンテ」
はじめに - いかにして、このチャレンジを始めるに到ったか

この美しいラグタイム作品の作曲者である デヴィッド・トーマス・ロバーツ (以下、DTR) について、実はあまり詳しくないと先に申し上げておきます... ですので、彼に関する情報は、過去に日本へ招聘もされたラグタイム・ギター界の「巨匠」である 浜田隆史さんのツアーレポート やサイトを是非ご一読ください。
そんな私に、DTRの音楽を初めに紹介してくれたのは、当地のラグタイム・ファン(マニア) 室町さん で、常々「編曲しないんですか?」という要望なども頂きつつ楽譜も見せてもらったりしていたのですが、楽譜と曲を照らしながら確認した印象としては「私の流儀でやろうとすると、難易度高すぎだなぁ」... ということで、長らくためらっており - ですが 「ラグタイムファンとしてもギタリストとしても、死ぬまでに1度はチャレンジしなければならない作曲家」 であると、心中密かに感じていたのも事実でした。
そんなある日、私のタブ譜を欲しいとお問合せ頂いた知人が 「DTRの“ロベルト・クレメンテ”が大好きなのですが、いつか編曲する予定は無いですか?」 と、楽譜のコピーを(参考に)送ってくれました。「なかなか難しいので」と返事を差し上げつつも、どんなもんかなぁ?と楽譜を仔細に眺めたところ... 「できるかもしれない... いや、ギターにマッチしつつ、ギターならではの美しさをかもし出せる作品になるかも?」 - ということで、早速に取り掛かると同時に、DTR本人に楽譜集を正式オーダーしたのでありました... ;-)
アレンジ
[註] 採り上げた楽譜は、本稿の理解を深める目的にのみ使用しています。

[fig. 1-a]
基本的な楽曲構造
基本的な構成を鑑みるに、この曲は "多声構造のラグタイム" とでも位置づけられましょうか - いくつかの声部が完璧なハーモニーを作りながら流れていくのが楽譜からもお分かり頂けると思います。しかしながら、このハーモニーが "シンコペーション" という「時間」のずれによって、“一瞬の不協和音” ともいうべき 「空間」 を作っているのもまた事実であり... 個人的には、この「リズムと和声の違和空間」そのものが、クラシックとジャズの橋渡しとも言うべき「ラグタイムそのものの魅力」であり「適度な通俗性」なのではないか?と思っているのですが ※その点からすると、ジャズの前景というよりも「(シンコペーションが当たり前=通俗な)ポピュラーミュージックのはしり」というイメージの方がラグタイムの音楽史的な位置づけとしては正確なのではないか?とも思うのです...
何にしても、内声がメロディに寄り添うように流れていく様がご覧頂けると思いますが [A]、2小節目からは(完璧な相似形でなく)つつましやかな寄り添いに変化し [A'] 同時に、印象的な下降ラインを演出し始めますが、「レ→ド→シ」と下がる最後の「シ」の音が、内声でなく “メロディ” に置き換わっているという芸の細かさ... もちろんこれらは「自然に作曲」されたのでしょうが、ひょっとすると「楽譜に書くことで意識フィードバックされ書き加えた」のかもしれません。というのは、彼の作曲「書法」が、文字通り「書き物として美しく」仕上げられているからなのですが... ※元気があったら本人に聞いてみます - ここで突っ込むには余りに「ソシュール的」なので(苦笑)。ちなみに同じコトを常々“ジョプリンに”聞いてみたいと思っていたのですが、それは無理なので...
もちろん、左手のベース&伴奏の重要性も見逃せません - ジョプリンによく見られるようなパターンで始まりますが [B] 、単音ベースのアップする音形が半分のリズムパターンで再び現れ [B'] 同時にそのラインも右手のメロディパートと完璧に調和を見せているのがお分かり頂けるでしょう... ;-)

もし、これらが全て違うキーで作曲されていたら、私もたぶん編曲をあきらめていたでしょうが、実に幸いにも「D」のキーでした - ギターではお馴染みのキーであると同時に、六弦を一音さげてDにするドロップDチューニングが極めて効果的であります... この変則チューニングというのはギターの素晴らしい技のひとつであり、今回もためらい無く採用を決めたのですが、しかしその一方で、上記にみるように作曲家自身が極めて高いレベルの配慮を注入し美しく仕上げた作品だけに、私もいつも以上に気を使って編曲をしなければいけない、と肝に銘じたのでありますが... その成果度合いについて、この章では書いてみたいと思います。

[fig. 1-b]
ギターアレンジ譜
いくつかの変更やあきらめ(?)は含むにせよ、重要なポイントを押さえながら編曲を進めているのがお分かり頂けるかと思います。基本的なスタンスは 既出の章 で書いている内容と同じですので... ここでは、つつましやかながら ギター演奏そのものに関する私見などを書いてみたいと思います... うがっていえば "ギター固有の美" について。
典型的な例として、この曲の冒頭箇所をあげてみたいと思います [D]... 普通ですとこのメロディーは単音(のラインで)弾かれると思いますが、私はあえて "素早い和音" それも "素早い不協和音" として弾いています - わざわざ2弦と3弦を使用した「コード形」にしているのがお分かり頂けるでしょう... このような「和音」を作るには、鍵盤楽器であるピアノの方が比べ物にならない位簡単な訳ですが、音楽的には「そうとも言えない」と感じています - 恐らくピアノだと、交じり合った音が濁り過ぎるだろうと思うので。一方のギターですと、この2~3音は「分散和音=アルペジオ」として弾かれながらも、ギターに固有の「つつましやかな音量や音のアタック、そして(音の)減衰」の効果により、ピアノよりも “聴きやすい不協和音” として仕上げるのが可能だと思われます。
では、何故あえてそのような不協和音を選んだのか... それは、この美しい曲の冒頭が「単純なメロディーの連なり」では(特にギターの場合)面白くない(または、芸が無い?)のでは?と感じたからです - イントロダクションが無いと言うのもポイントかもしれませんし、うがって言えば「この不協和音を印象的なイントロとして扱ってみたかった」という想いが底辺にあるようにも思います - さらに推し進めて言えば、そうすることで「発音時のアタックを引きずることなく、つつましやかに、そして自然に減衰するというギター固有の美」を、この美しいラグタイムの冒頭で “証明” したかったのだとも言えましょうか - ビデオでそれがうまく「実演」できていればイイのですが... ;-) では、次のパラグラフでは「ギター固有の美」に関する “別の事例” を紹介いたします。

[fig. 1-c]
作曲者は、どう取り組むか?
色々あれど "全て別なり" と考えたく候
では、正解はどちら... ?! 最初のがオリジナルと同形ですが、残りを「いかがいたしましょうか?」 - 「たいして違わないよ」「作曲者か演奏者の気まぐれで選ばれてるんじゃない?」「練習用の変奏だね」「作曲過程での思慮深さの現れです」... クラシックラグタイムの 現在形のギター編曲者としては、最後の考え方に殉じてみたいというのが私の流儀(想い)です... が、実際には編曲でも演奏でもこの<分別>を完璧に成し遂げるのはままならないうえ、私自身も「アドリブ」の楽しさと重要性は十分に認識したうえでの意思表明ですから、現実にバランスを取るのは(かなり)難しいです - ただし「オリジナル作品へ敬意を払う」という点は一貫しているつもりですが。
ちなみに言うと、このコンセプトの源流は「ジョプリン作品の編曲というキャリア」に求めることができましょう - 彼がいかに音楽を「書いた」かを精査するのは、編曲作業でのこのうえない楽しみであり、私見ではその真髄が少なからず、作品 『ラグタイムの教科書 スクール・オヴ・ラグタイム』 に書かれているのでは?と思うのですが、実際にはこの風変わりな作品の解釈は定まっていないのでは、と私自身はみなしています (※ あまり大したことは書いていない、という評価が大勢に思えますが、私的に判断すれば 『かくも思慮深い作曲書法を追求するジョプリンが、自費で重要では無い作品を出すだろうか?』とも考えてみたり...)
しかして今回は幸いにも同時代の作品ということで、当方のつつましやかな興味に関するコメントを、作曲者自身が Facebook によせてくれました。せっかくですからご紹介いたします。※事例への解答ではありません。訳出はやや曖昧かも。
そう、ささいなバリエーションは僕のラグタイム作曲法のポイントともいえるところで、特に詩的な作品 - すなわち本質的な楽曲の発展要素を持たない(形式に依存するような)ラグタイムのような作品で主に取るアプローチだね。ショパンもこの手の練習課題を特にワルツやマジョルカで作ったりしてるけど - でも僕にはそれが「作曲の純粋に奥深いところ」から生じているように思えてならないんだ。
再び幸いにも、この最初のピアノ音形は、ほぼ完璧にギター上で再現することができます - タブ譜を見て頂ければ分かるように、2弦と3弦の開放弦が大きな助けになっています [E の緑囲み; fig. 1-b]。しかしながら、あなたが純粋主義者ならばこう指摘するでしょう - 「それならば、伴奏部分の弱起(アップビート)が8分音符になっているところは、4分音符ではなくきちんとミュートして音長(ゲート・タイム)を保つのでしょうな?」 [E の矢印部分; fig. 1-b]。正直に言いますと「私は "チェリー・ピッカー(いいとこ取り屋)" なもので... やったりやらなかったりです~」 ; 多少の言い訳を加えるなら、(不協和音などに到らずに)トータルなサウンドが心地よければ「鳴らしっぱなし」にしておきます - そして正にこの点において、他の「音が大きくよく響く楽器」に比較すると、ギターの特性である『自然に減衰する音がつつましやかに交じり合う音響調和性』が美しく効果を発揮するのではないか?と考えたい訳です - いかがでしょうか... ;-)


[fig. 2]
ギターで自分のテイストを加味;
第2セクションの冒頭
リピート時には実音で弾いてます... お気づきにならないかもしれませんが
... ;-)
(超)長い分析の後は、私個人のテイストを... お得意の "ハーモニクス Harmonics" ;-) 第2セクションに入るブリッジとなっている印象的な音符は、編曲の当初から(ハーモニクスとして)頭の中で鳴っているイメージでした... 一種の病気というかクセというか。一方のベースで使われている方は、私の用語で言うところの “まやかしのベース音” というモノで - すなわち、ベース音がメロディーよりも実際には高い音ながら、低音弦のハーモニクスにすることで「何となく低い印象」を与えようという試みです... さらには、ミュートしない限り開放弦同様に長さを伸ばしつつ自由にフィンガリングが効くという「経済性」もありますし!? ベースラインについては、一方で、オリジナルとは違う「ウォーキング・ライン」をあえて採用し、ステップを踏むような雰囲気を演出してみました... ;-)

[fig. 3]
ハイライト; 第2セクションが終わり、冒頭のセクションが D.S. 的に繰り返されるところ - デヴィッド自身は、(恐らく)繰り返しの際の変奏を忠実に楽譜にしたいという意図から(D.S.を)使っていないのですが。
その「繰り返しの際の変奏」という意図を、私自身のアプローチで再構成したのがコチラです。
英国ギター音楽に造詣のある方なら、思い起こされるかもしれません - ジョン・レンボーンの著名な代表曲 - "世捨て人 The Hermit" - リンクは アマゾン のサンプル MP3 に... ということで、もちろん私はその影響下にあります... ;-)
ここでも再び、メロディーラインの大半をハーモニクスが可能な音で置き換えられるという幸運に恵まれた訳ですが、青い囲みの箇所は弾きやすさを優先してオクターブを下げています... 反対に、赤い囲みの所ではアルペジオを伴った不協和音を意識的に採用し、ちょっと異質な雰囲気をかもし出してみました。

[fig. 4]
もう一つのハイライト; 最後の頂点
リピートの際のバリエーション(指示)はオリジナル楽譜にも忠実に記載されています。違いを丹念にあたるのも今回のミッションの一つで... ;-)
記載の箇所は、私の編曲ギターライフにおける「もう一つのミッション」を示しています - すなわち "ベンド(チョーキング)" を使うこと... ここでは、大変なハイポジションでの運指を簡素化しつつ、一種の切ない "ノスタルジックな" あるいは "サウダーヂな saudade (ブラジル固有の感傷)" 雰囲気を出そうと試みています... そう感じて頂けると嬉しいのですが! なお、ここでもハーモニクスがフィンガリングの省略(音長の維持)に貢献しています。
※緑の矢印は... すみません、付けた意味を余り思い出せていません...
このミッションも、実は再び、ジョン・レンボーンの輝かしいプレイにインスピレーションを受けたものです - "ゴート・アイランド Goat Island" - リンクは再び(アマゾンの)サンプル音源ですが、偶然にもサンプルが消える寸前に、件のチョーキングを聴くことができます! - 実に16歳のときに初めて聴いて以来「いつかは、こういうチョーキングをキメてみたい!」と思っていたその積年の想いを、ついにここで果たすことができました... ;-)
色彩でもトリビュート - ロベルト選手と彼のチームのために
このラグタイムは 著名な米国野球界の殿堂入り選手 に捧げられているのですが、私自身も自分なりにトリビュートしてみようと思っていました... すなわち "ビデオの衣装(?)" で - いつも(それなりに)工夫してるのですが(苦笑)

実は最初に思いついたのは 彼のチーム "ピッツバーグ・パイレーツ" の帽子 を被ろうと思っていたのですが、オールド・クラシックな服装の雰囲気と余りにミスマッチだと思ってあきらめて... その代わり、チームカラーを取り入れることを思いつきました - すなわち "黒と金"で、これなら、ややクールでラグジュアリーな雰囲気を醸せるかなぁ?と考えた次第...
ということで、金のアイテムには「伝統とラグジュアリーの融合」ともいえるフランス・パリの老舗ブランド "シャルベ Charvet" のネクタイをチョイス- とは言うものの、長島アウトレットの "アローズ United Arrows" で「ありえへん安値」にて買ったものですが(苦笑)。小さなピンバッジは ある試験結果 ISTO を示すものですが、私の「さえない経歴・力量」へのトリビュート(フェアウェル?)として着用しました...

ということで... 最後にご関係者(?)の方に謝辞を送りたいと思います; David Thomas Robertsさん、浜田さん、室町さん、内田さん... そして、私のビデオを見た後に、この「飽きるくらい長い」文章を読んでくれた皆様へ!!
ラグタイムの影響下で - "シェリフ The Sheriff by ELP"
はじめに... 少し言い訳を
実のところ、この曲は「ラグタイム」とは言いがたいですね... エンディングで素晴らしいラグタイムピアノが披露されているにしても! しかし、曲を演奏しているロックバンド "ELP" のキース・エマーソン Keith Emerson が、『メープル・リーフ』をライブで披露するほどの古きアメリカ音楽の愛好家でなかったとしたら、このカッコいい曲も生まれなかったのではないでしょうか... ;-)
ということで、双方のジャンルに対する私自身の「愛情」を表す意味からも、キーボードラインを忠実に編曲しながら同時にロック的なパフォーマンス(?)を達成するというミッションを掲げて、今回の収録に取り組みました。
編曲
[註] 採り上げた楽譜は、本稿の理解を深める目的にのみ使用しています。

[図 1-a]
イントロ
(原曲)
オルガンとピアノの多重録音も含んでいますが、ほとんどユニゾンで演奏されていますので単一パート譜のみ掲載しています。一方、このピアノ譜と私のギター譜では異なる音形・表記が出てきますが、その理由は違う楽譜を使って編曲したから - 古い『キーボード・マガジン』を参照 - 比較しづらいかもしれませんが、ご容赦ください。

[図 1-b]
イントロ
(編曲)
メロディをオクターブアップしているのは、すぐにお気づきになるでしょうが、演奏性の向上に加え音自体が生きる(目立つ)ように配慮したつもりです。キーボードのタッチの軽快さを出すべくギター(ネック側)のフィンガーテクニックを加えていますが、ミュートやスタッカートでメロディーをタイトに扱うのは“あえて”止めています; ソロ演奏なので、ある程度音を響かせながら音楽を流してやらないとイケナイので... 私の場合、レイクやパーマーがサポートしてくれませんから!!

[図 2-a]
ソロ部分
(原曲)

[fig. 2-b]
ソロ部分
(編曲)
このソロを弾くのはなかなかに楽しいです~... たとえギターでも ;-) 恐らくキースは「アドリブ」でなく事前に「作曲」して弾いていると思われます - 同じテーマによるライブ演奏を YouTube でチェックしましたので。ということで、トリビュートすべく正確に編曲しようと思う一方で、ギターライクな演奏になるように(実はかなり)音形などを変えています。加えて、ギター独自のテクニック(ハーモニクス、スライド、ビブラート等)も加えましたが... チョーキングだけは入れなかったですね - うーん、頑張ればどっかに使えたかもしれません!
(奇特な)読者の方への特別に、上記の抜粋楽譜を用意しました... 楽しんでみてください!
* 無料ダウンロードは右のアイコンから (PDF 100KB); Copyright of arrangement is reserved.
パフォーマンス... “お独りさまバンド” として
新しいチャレンジ "歌いながら演奏" - 実際は、録音と録画、アクションもありますが?! ELPの中で特に好きな作品なのに、30年以上経っても適当な歌詞で歌ってます - 英語圏の人が聞いたら「?」でしょうね... もし私の歌が「英語」に聞こえれば、ですが(苦笑)。

使用したギターは、まさに人生初の(まともな)エレキギター - 30年以上、所有していますが、亡父が買ってくれたモノです - それまでは「おもちゃ」みたいなエレキでずーっと練習してたので!メーカーは "トーカイ Tokai" - お手ごろ価格の「そっくりコピーモデル」というので、当時は人気がありました - 定価6万円(ケースはサービス;by 大田店長@山野楽器札幌そごう店; who is 片手一振りで3連スネア叩く人)。
ジーンズ上下着用もトリビュートですが、キース本人のように「素肌に直接」は止めました; 赤いT-シャツには、モーツアルトの楽譜が印刷されているんですが、見えないよね...
ということで... どこかここか、お楽しみ頂ければ幸いです。
現代のラグタイム "Peck Peck Song" & "Mimi"
はじめに... 謝辞
最新投稿の2曲は、現在でも作曲されているラグタイムの例、でもあります。しかしどちらの曲にも各々のテイストが加味されているため、特段にラグタイムであるとは意識されずに済んでしまうとも思われますが、しかしラグタイム無しにはこれらの曲もこういう形にはなっていないだろう、という気がいたします。

これらのユニークで楽しい楽曲をアレンジ・発表させて頂いたことに対し、作曲者のお二人に感謝をいたしますと同時に、ここに解説めいたことを書かせて頂くことをご了解くださいませ... OK?
なお、ご両名の Facebook は以下になります。
It's Jerry Time!
Bob Milne
"The Peck-Peck Song"
エミー賞受賞アニメのBGM... ですが、彼が作曲録音しています。さらっと聞くと「カートゥーン・ソング」ですが、やはりラグタイムを背景にした曲になっており、私もその辺りに配慮しながら「自分のテイスト」を加えさせて頂きました。
曲を聴いて頂いてもわかるように「シンプル」な和音構成なので通常のチューニングで編曲を進めましたが、作曲者から頂いた楽譜には「ピアノソロ」があります - 逆に言うと、このメロディは「歌」として考えて頂いたほうが良いのですが。

このソロは途中でマイナー調に変化しているのですが、ピアノ楽譜だと単純にブレイクして主題へと戻る格好になっていました。
しかし歌がないとその間の「差異感」が薄れてしまうので、「何か自分のテイストで変化を加えたい...」と考えたのが左のブリッジです。
“メープル・リーフ Maple Leaf” に代表されるようなディミニッシュ・コードの上昇フレーズを加えた後に、最後はよくあるリズムパターンで主題へ戻しています。この戻す和音も色々やってみた結果、これが一番ナチュラルな雰囲気だったで決めましたが... いかがですか?
"Mimi"

流れるような和音のメロディが印象的な冒頭のテーマ部分です。とにかくココが軽やかに弾ける様に... との思いがありましたので、『エンターテイナー The Entertainer』でも採り上げた(変態?)Cチューニングを使用しています。ところどころ入るAフラットがメランコリー調を巧みにかもし出していて、ここに ラグタイムの真骨頂 があると思うのですが、いかがですか?そういえば『エンターテイナー』でも第二楽節の中で同様のキメがありますが... 分かりますかね ;-)

第三楽節からは「ブギウギ」っぽい曲調へ移りますが、メロディが高音から低音に移るところがカッコイイですよね... しかし、こういう低音ラインは弦が6本しかないギターだとなかなか難しいモノがあります - ここでは高音の和音を軽く織り交ぜて「単音のみの薄い音」にならないように配慮してみました。
ちなみに原曲と同調のCアレンジなのに カポを使っている のは(私のアレンジ・ガイドラインに反しますが!)、このフレーズが重たくなりすぎないように、との配慮です。 ※元々ギターはピアノよりも実音が低いので... 2フレに装着しないのが、フラット系を好むラグタイマーの特徴でしょうか(笑)
Clothes

たまには“衣装”の解説も... ユナイテッド・アローズ・グリーン・レーベルのコットン・ジャケットですが、チェンジポケットがやや英国調の仕様でしょうか? コットン・ジャケットは「夏用」と言われたりしますが、暑いうえにこの色調だと、今が旬です... 名古屋だともうキツイですが(苦笑)
本来はカジュアル向けの製品と思われますが(勝手に)オフィシャルでも着ています... Japan Biz シーンでは(やや)在り得ない Rare な装いですが(?)ネクタイを締めていない人に Dress Code でケチをつけて頂きたくない、というのが Credo なので... ;-)


